PROFILE

ヨガと鍼灸で心と体をサポート

横井利美

Rimi Yokoi

30歳を過ぎた頃に体に不調をきたし、それを解決するためにマッサージやエステ、その他にもプラセンタ注射や点滴などを試す。
一時的に効果を実感するも、長続きさせることはできなかった。
そんな時にヨガと出会い、体質やさまざまな体の不調を改善。
それがきっかけでヨガ中心の暮らしに移行する。

経験を積み技術力も高め、ついに元の仕事を辞めヨガ指導者の道へ。

ヨガスタジオの「みんなのヨガ」を主宰。
はり師きゅう師国家資格も取得し、鍼灸サロン「balance」もオープンさせ、数多くの人に利用されている。
ヨガと鍼灸による健康生活を提唱している。

略歴

ヨガスタジオ「みんなのヨガ」主宰 鍼灸サロン「balance」代表 ヨガウェア「suria」ブランドアンバサダー

保有資格

はり師きゅう師国家資格
きっかけは、体調を崩したことでした
-30代で体調を崩されいろいろな治療を試されたみたいですね!昔から健康に関して興味を持たれていたのですか?

横井:そうではなくて。わたしが仕事を始めたのがバブルくらいの頃だったので、すごく忙しかったんです。でもやっぱり若いから、仕事もするけど遊びもしたい。だから休みはほとんど遊びに使うことになるわけです。仕事もほとんど徹夜に近いような形でやっていたので、当然体も壊しますよね。周りにもそんな人がいっぱいいて。その頃、過労死が問題視され始めたときで、隣の机でちょっと休むって言って亡くなった方もいたぐらいの時代だったんです。
何が原因か分からない高熱が出たり、入院も2回くらいしたりしました。これはちょっとこのままだとわたしも死ぬのかなって。まあでもその頃は仕事もあるし、お金もあるから、エステに行ってみたりとか、腸内洗浄をしたりとか、疲れが取れるっていうキレーション点滴やプラセンタ注射を打ってみたりもしました。いろんなことを試したけれども、結局一時的なことでしかなくて、体調は良くならないんですよね。これは根本的に何かやらないといけないのかもしれないと思ったんです。
あと、その頃太ってもいて。今より16㎏くらい。これはやっぱり見た目も良くないし。それで、食生活を勉強して、食事だけではダメだと分かってそこからさらにいろいろ勉強していきました。

-プロフィールを見ると、「建築士、インテリアコーディネーター、ヨガインストラクター、鍼灸師」と書かれています!とてもアクティブですよね!さまざまな事柄にチャレンジするための秘訣を教えてください!

横井:いろいろなことにチャレンジしようと思ってやってきたわけではないんですよ。もともとは大学を卒業したら建築の世界に行こうと思っていたんです。だから建築士の資格を取りました。でも、体調を崩して自分の健康を考えていく中で、ヨガに出会ってヨガの資格を取ったという感じです。それで、健康が大事だなって思って勉強していくうちに、体のことを知るのもおもしろくなってきちゃって。
でも今から医者になるっていうのは、ちょっと時間とお金もかかりすぎるし、現実的じゃない。じゃあ、開業できる医療関係っていったら鍼かなって思って、鍼灸師の資格も取りました。そこから鍼の世界も奥深く、おもしろくなり、開業しました。

-ありがとうございます!主宰されているヨガスタジオの「みんなのヨガ」という名前、とても素敵ですが名前の由来を教えてください。

横井:よく「ヨガをおすすめします」っていうと、「体が硬いとできないんじゃないか」とか、「もうちょっと痩せてからやる」とか、「前にちょっとやったけどあんまり楽しくなかった」とか言われるんです。だけど、「ヨガ」はサンスクリット語の「ユジュ」という言葉が語源になっていて、「つながる」っていう意味なんです。「ユジュ」っていうのは、昔牛や馬に荷物や人を運ばせた、その牛と牛、馬と馬をつないでいる軛(くびき)のこと。だから、つながることは全部ヨガなんです。
体や体調を整えたり、心を整えたりすることで、家族との関係が良くなるとか、もちろん仕事もうまくいくとか、自分をとりまくいろんな環境がうまくいくっていうことをヨガっていうんですね。だから特殊な運動と考えず、ヨガをやるとかやれるとか、ポーズが取れるとか取れないとか、そういうことじゃない。みんな何か絶対悩みがあるじゃないですか。ストレスもあるし。それを自分なりに、自分で解決していくっていうつもりで、誰でもできるのがヨガ。ほんとに特別なスタジオじゃなくて、誰でもヨガができるところにしたくて、「みんなのヨガ」っていう名前にしました。

-ヨガは難しいイメージがあるのですが、誰でも簡単に始められるのですか?

横井:ヨガを教えるときはわたしは時間中ずっとしゃべっています。自分でみなさんに伝えたいことをなるべく言うようにしているんです。ヨガって別に難しく考えなくてもいいんだ、細かいことを気にしなくていいんだっていうことに気づいてもらう。とにかく1回来てもらいたいですね。

-そうなのですね!世間でヨガブームが到来しているように感じます!ヨガを行うことでどういったメリットがあるのか教えてください!

横井:「ヨガをするとこうなりますよ」っていう結果はあるんですよ。例えば、規則正しい生活が送れるようになるとか、心が整ってくると食べ過ぎを防ぐから結果的に痩せるとか。科学的に研究してる人もいて、ヨガがいろんな病気に効くとか。でもそれは結局、結果であって、その結果に向かって一生懸命やるわけじゃない。気持ちが楽になったからストレスが少し軽減されて、よって頭痛がなくなったとかね。持病がちょっと軽くなったとか、そういうことなので。
だから、「ヨガをするメリットがこれです」ってもちろんネットなんかを見るといろいろ書いてあるけど、あんまりそういうことじゃないんですよね。ヨガをするメリットっていうのは、結局「生きやすくなる」っていう感じです。いろんなことを含めてね。だから、ほんとはヨガをしていないときに、いかに快適に、痛いところもなく、機嫌がよく過ごせるかっていうことなんです。機嫌がいいから余裕があって人に優しくできる。余裕がないとどうしても人に優しくできないし、大切な人や家族にも優しくできないですよね。なので、他の人生もうまくいかない。そうすると胃腸が悪いとか、体調が良くないとかになるんですよね。だからヨガをするメリットっていうのは、人それぞれにやりながら見つけていってほしいかなと思います。

-鍼灸サロンも開院されていますが、どのような悩みを抱えている女性が利用されているのでしょうか?

横井:うちに来てくれているみなさんを見ていると、話すことって重要なのかなと思います。
なんとなく調子が悪いとか、病院に行くほどでもない、でもやっぱりつらいとか、そういうぼんやりとした何が原因か分からない症状ってありますよね。なんだか朝起きづらいとか、体が痛いとか、気持ちが優れないとか。でも別にどこか悪いわけでも病気なわけでもなくて、毎日普通に会社には行けるし働ける。でもやっぱりこのもやもやしたものをなんとかしたいと思って、みなさん来てくれるんですね。それを放っておくと大変な病気になったりもしますしね。ストレスがたまるとガンになることもあるし。
わたしも最初は体のことを勉強しようと思って、解剖学的なこと、生理学的なこと、病気のこともたくさん勉強して、鍼の良さを知って、よし、腕を磨いて治してやるぞ!って思ったんです。だけど、人ってやっぱり誰も話を聞いてくれないとか、痛いって言っても誰も信じてくれないとか、そういうことが原因でもっと悪くなることもあるのがだんだん分かってきたんですよ。子どももそうじゃないですか。運動会に行きたくないとか、遠足に行きたくないとかでおなか痛いなんて言って、ほんとにおなかが痛いんです。それは大人にもある。でも、話を聞いているうちに治ったりもするんですよね。それもまあひとつなのかなと。もちろん鍼の効果もあると信じてやってるんですけどね。
だから、なんとなく人と人とのつながりが希薄になってきてるから、もう少し話を聞く機会があったりとか、話せる場所があったりとかしたらいいのかなとは思いますね。ヨガでも鍼でも、自分が行くところがあって、認められるとか、必要とされるとか、やることがあるとか、そういうことがすごく重要なんだと思います。

-「はり師きゅう師国家資格」を取得されていますけれど、資格取得のための勉強は大変ではありませんでしたか?

横井:そうですね。まず、大人になってから高校卒業したくらいの子たちと一緒に学校で授業を受けるっていうのがすごく大変でしたね。中学や高校時代を思い出してみると、授業中に自由にお水を飲んだりお菓子を食べたりもできなかったじゃないですか。1時間半くらいの授業の中で水も飲んじゃいけないし、飴もなめちゃいけない。50歳くらいで始めたのでそういうのもつらくて。それから、決まった時間に毎日学校に行くのも大変でした。
試験自体はそこまで、60%くらい受かるので大丈夫だったんですけど。

-なるほど。「はり師きゅう師国家資格」を取得して、どのような変化を感じられましたか?

横井:自分でも鍼に通うようになったので、そこから自分の弱いところが分かるようになりましたね。必ず風邪を引くと喉に来て声が出なくなるんです。ヨガのインストラクターをやっていて、声が出ないのって致命傷です。でもやっぱりヨガのインストラクターだから、健康に近いところにいるから、ケガもしないし病気もしないくらいに思ってる人もいるんですよ。だから、わたしが風邪引いたりすると「ヨガやってても風邪引くんですか?」とか言われちゃうんですよね。「ヨガやってても捻挫するんですか?」とか。でも人間だから、風邪も引くし捻挫もする。それぞれみんな違うし、完璧じゃないんです。だからいろんな人や病気を知ることによって、あまり強がらなくなったのも変化ですね。「風邪引きました、休みます」って前はあんまり言えなかったんだけど、「いいじゃん!」みたいな。「インフルエンザになりました、1週間休みます」とかね。別に普通の人間だったらなるから。
ヨガをやってるから本当に健康的な生活を送って、絶対にわたしはケガもしないし病気もしないなんて、そんなことないんですよ。昔はわたしが風邪引いたなんて言ったら絶対おかしいだろうって思ってたんだけど、そんなの別にいいんじゃない?みたいな感じになって、ちょっと気も楽になりました。

-これからヨガを始めたいと思っている人も多いと思います!そのような方にぜひアドバイスをお願いしたいです!

横井:小さい頃に「毎日歯を磨かないと虫歯になりますよ」って教えてもらったと思いますが、「毎日体を動かさないと病気になりますよ」とは教えられなかった。運動の重要性って体を壊してから、年を取ってから分かるのじゃ遅いんですよ。ほんとは動かさないところはどんどん悪くなるから、すみずみまで動かしてほしい。ヨガが合えばヨガでもいいし、なんでもいいんです。歩くのが好きだったら歩くのでもいいし、何か自分の趣味があればそれでもいいし、体って動かさないとほんとにどんどん動かなくなってきますから。まずは何かちょっと試してみるのがいいと思います。