PROFILE

芸能人御用達のヘアメイクアーティスト

北川太一

Taichi Kitagawa

法政大学を卒業後、有名ヘアメイクアーティストの渡部裕二氏のもとでアシスタント業務をし、技術だけでなく業界に関する様々な知識を得る。アシスタント業務を続けた状態で山野美容専門学校でメイクアップに関する基礎知識を習得し、卒業後アメリカロサンゼルスにて世界トップクラスの本格技術を得るために留学。1年の留学期間中、先進的の特殊メイクに関する美容技術を身につけ、帰国後には独立し自らヘアメイクのプロフェッショナルとして活動する。
また世界的に展開しているロレアルにおいてメイクアップインストラクターとしても大きな役割を果たす。

1988年には有限会社ドゥアップを設立し、自らが代表取締役に就任。同社が手がけるスクールでは、高いレベルのヘアメイクアップを習得することが可能。
現在は多数の芸能人に支持されるヘアメイクアーティストとしてだけでなく、講師など多種多様な活躍ぶりを見せている。

略歴

法政大学経済学部卒 山野美容専門学校 メイクアップアーティスト学院卒業 有限会社ドゥアップ 代表取締役
特殊メイクを学び、メイク界のカリスマへ
-大学の経済学部を卒業されていますが、美容の仕事をしたいと思われたのはいつからなのでしょうか?

北川:美容の仕事に興味を持ったのは社会人になってからです。高校時代の先輩から、こんなのやってみたらどうかって誘われてね。興味が湧いたので、ファッションショーを見に行ったんですよ。人はメイクをしたとたんに顔がガラっと変わる。カルチャーショックを受けました。それからですね。

-そうだったのですね!ロサンゼルスに1年間留学されていますよね!やはり日本とアメリカではメイクアップのあり方が全く違うのですか?

北川:もともとは特殊メイクを学ぶためにロスに留学したのですよ。日本とはまるで違う。日本は企画されたものを作る。これを作ってくれっていう注文みたいなもので、自分でパターンを用意できない。材料も少ないしね。向こう(アメリカ)は、キャラクターの発想から入ります。キャラクターからクリエイトする面白さは、日本とは次元が違う。

-アメリカでの経験がそれ以後の美容家人生に生きているのですよね!

北川:当時は特殊メイクの技術なんてなかったから。習得するのも大変だったけど、それ以上に素晴らしいものを得られたと思っていますよ。そして今、特殊メイクはもちろん、それ以外の勉強や経験も全て役に立っています。

-有名人のメイクアップや各種講師など、いろいろ活躍されていて本当にアクティブだと思います!

北川:タレントさん等のメイクに関する時間拘束はとても長く、終了時間も明確には決まってない。なので、とにかく体力勝負です。そしてイメージが決まっているので、そのイメージを崩さないようなヘアメイクをしなくてはなりません。それとは対照的なのがミュージシャンだね。ほら、音楽によってメイクが変わるじゃない。それはそれでとても楽しくやらせてもらっていますよ。

-芸能人など、見られる仕事の人にメイクを施す際に注意・意識されていることはありますか?

北川:先ほども申し上げた通り、芸能人はイメージが決まっている。「その人自身」を表現するのが私たちの仕事だから、どちらかというと一般の人のメイクの方が難しいね。相手の事を知らないわけだから。それと、肌の手入れでメイクは見違えるほど変わります。だから、肌は結構注意して見てしまいますよね。

-ありがとうございます!お仕事をされていてやりがいを感じられる時というのはどんな時でしょうか?

北川:僕らの世界では、ヘアメイクをする事により綺麗になるかどうかだけが重要じゃないんですよ。写真や映像になった時に、その人がどう映るか。それを考えながらヘアメイクを創り上げてゆくのです。バチっと決まった時は、やりがいでしかない。またお願いしますって言われるのが、誉め言葉みたいなものですから。

-やはり好き・やりがいを感じられるからこそ、多方面で頑張ることができているのでしょうか?

北川:ヘアメイクは飽きないね。嫌だと思った事がない。やはり、この仕事が好きなんだろうなって思いますね。逆に好きじゃなければできないかもしれない。これからもこの世界で、もっと頑張ってゆこうと思いますよ。

-ここ40年くらいで日本のヘアメイク、美容分野は大きく変化していると思われますが、特に違いを感じられる部分を教えていただきたいです!

北川:私たちの時代と比べると、オールインワンタイプが多くなったと実感します。全てが簡素化されている。わかりやすく、シンプルにね。メイクも手順が明確になっているようなパレットの作りだったり。その辺りが、昔と大きく違うなぁと感じるところですかね。

-これからヘアメイクの仕事を目指す人に何かアドバイスがあったら教えてください!

北川:ヘアメイクの世界でよく聞くのが、自分が思い描いているイメージと違ったと感じて辞めてしまう人が多い事ですね。華やかな世界に見えて、体力勝負の場面が多いですからね。でも、そのギャップに耐えて頑張ってもらいたい。最終的には、この世界が好きという気持ちを忘れないでほしいですね。

-ありがとうございます!先生ご自身が今後新しく何か始めたいことや、目標としていることなどがあったら教えてください!

北川:どんなメイクをしたら良いかわからないと言っている人って結構多い。でも、メイクも大切だけど、肌の手入れでメイクって大きく変わるんだよ。だから、もっと「自分の肌を大事にするような事」を広めてゆきたいですね。メイクだけにこだわらずね。清潔感をどこで感じるかって、答えは「肌」なんだ。その事を、多くの人に知ってもらえたら良いね。